植物の室内空気の浄化効果 - NASAが初めて証明 ―

 室内空気の浄化に植物は重要な働きをする。今でこそよく知られているこの効果を1980年代に科学的に証明したのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)でした。長年に渡る宇宙船の中の研究で明らかにされたもので、宇宙と植物という意外な組み合わせです。

宇宙船内での生命維持システムの開発中、密閉された宇宙船内の空気からは300種類以上の揮発性有機化学物質が検出されました。その除去方法で有効とされたのが、植物による浄化作用だったのです。NASAは、1984年に「植物には密閉された実験空間のホルムアルデヒドを除去する効果がある」という研究結果を公に発表します。その仕組みは以下のようなもので、世界中で注目されました。

・植物の葉にあるたくさんの気孔から、空気中の汚染物質を吸収する
・葉の蒸散作用によって起こる空気の対流が、汚染物質を葉から茎、根へ送り込む
・根元の土壌微生物が汚染物質を生物分解し、菌および寄主植物が利用できる物質
に変える
・蒸散により、きれいな水蒸気を葉や茎から空気中に発散する

データでは、六畳間に直径20cm程のポットに植えられた植物があると、ほとんどの有毒物質は人体に影響を及ぼさないレベルまで除去されるというものです。密閉された空間で健康的な空気を維持するのに、植物は間違いなく一つの手段になりうること、そして私たちが呼吸する空気の質を改善する力があることが、科学的事実として証明されたのです。
上級調査研究員だったウォルバートン博士は、1990年にNASA退官後も植物を使った環境汚染対策に取り組み、自然のプロセスを利用して環境汚染を制御する分野の世界的権威の一人となりました。彼の著書「新鮮な空気にする方法 ~住居やオフィスを清浄する50の室内植物~」ではそれぞれの植物の効果について解説しています。紹介された50種類の植物の中には、我々グリーン・ポケットが日常レンタルサービスで使っている観葉植物が多くあります。クロトン・アグラオネマ・オリズルラン・セローム・コンパクター・エレンダニカなど。花観葉ではアナナス・アンスリウム、草花ではベコニア・ポットマム・ガーベラ・カランコエ・チューリップなどです。

宇宙と結びつくとは、観葉植物のグローバルな魅力を感じます。そして、大自然から「生命に優しい」空気浄化が贈られたと考えると、少しロマンティックな感じもします。無限に広がる宇宙に想いをはせながら、観葉植物に接するのもいいでしょう。