
シナモンはスリランカ原産クスノキ科の植物です。一般的にはスパイスのイメージが強く、樹皮を乾燥させ加工したものが料理のアクセントとして使われていますが、伝統医療として広まっている地域もあるようです。
観賞用としては、艶やかな緑色とストライプ状の葉脈の美しさが特徴で人気があります。
○世界中に残るシナモンの歴史
シナモンは、中国、インド、ペルシャなどで古くから薬用として伝わっていた記録があります。エジプトではミイラの防腐剤として使われたとされ、旧約聖書にも登場します。
日本には奈良時代にはすでに奉納されており、正倉院の宝殿の中に「桂心(けいしん)」という名で保存されています。これは乾燥させたシナモンの樹皮で、薬用としてです。正倉院に残る薬草・スパイスの例としては、他には丁香(ちょうこう)、胡椒(こしょう)などがあります。
漢方薬としても、シナモンは体を温める、発汗を促す、血行を良くするなどの効能があるとされ、「桂皮(けいひ)」という名前で処方されていました。
シナモンの樹木そのものが日本に入ってきたのは、江戸時代の享保年間(18世紀前半)とされています。この頃から植物としての栽培が始まり、後に観賞用としても扱われるようになりました。つまり、先に伝来したのはスパイス(乾燥樹皮)としてのシナモン。観葉植物としてのシナモンは、江戸時代以降に導入された後発の用途です。
その後、食品としてシナモンロール、アップルパイ、紅茶など、洋菓子系に不可欠なものとして普及していきました。こうしたスパイス用シナモンと観葉植物用シナモンは基本的には同じ(同属)ですが、スパイス用とするには樹皮を乾燥・加工するのにある程度の樹高と年数が必要です。
大切なのは生活の質を整えること
長い歴史の中、人はシナモンと関わりをもってきました。そして近年の糖尿病療法で、シナモンの「血糖値を下げる」効果が注目されています。
本大学の関泰一郎教授らの研究グループは、シナモンが糖尿病モデルマウスの血糖値を下げるメカニズムを解明しました。「ACSL1」という酵素の量を正常化し、糖の輸送体「GLUT4」の働きを回復させることで血糖値を調整する作用があるというものです。
この研究は『Scientific Reports』誌において、細胞・分子生物部門で世界トップ100論文に選ばれました。日々の生活にほんの少しのシナモンを加える――その小さな習慣が、血糖値との付き合い方を変えていくかもしれません。
植物は劇的なことはできませんが、ともすると「我慢」や「制限」に偏りがちな健康管理を見直し、穏やかなものにしていきます。
「植物の力を取り入れて、生活の質を整えること」。。それがグリーン・ポケットの「小さな森」なのです。






























































































