セロームはサトイモ科フィロデンドロン属で、中央・南アメリカ原産です。正式名称は「フィロデンドロン・セローム」。600種類以上あるフィロデンドロンの代表的な観葉植物として知られています。
〇独特な存在感を醸し出すビュジュアル
セロームの特徴は葉と茎にあります。先ず葉ですが、その姿はヒトデのように見えることから“ヒトデカズラ”と呼ばれることもあるそうです。また、幹の模様もゴツゴツとしており、これらが独特な存在感を醸し出しています。
葉の形がよく似ている種類に「クッカバラ」があります。同じフィロデンドロン属の仲間で、セロームに比べると葉が固く丸みがあり、少し小ぶりです。また、幹の模様がラグビーボール状なのに対し、セロームは丸い形状の模様をしています。
このように、万人受けというより違う雰囲気が欲しい時には効果的かもしれません。風水的には「規制概念にとらわれない自由な発想や新しいアイデアをもたらす」運気を持つとされています。クリエイティブな業務を行う部門やミーティングルームなどに置くと、良い効果が期待できそうです。
〇「愛の木」とされる理由
セロームは中南米の熱帯雨林に自生する植物なので、周りが大きな木に囲まれた環境で生きてきました、そのため耐陰性があるとはいえ、カーテン越しなど直射日光の当たらない明るい場所で管理するのが望ましい植物です。
その為か、暗い室内に置いておくと光を求めて葉を伸ばします。そして、十分に光が当たると葉を大きく広げます。その広がるスピードも速い。よくセロームが巨大化した!というSNSをみかけることがあります。そんな時は剪定したり、支柱などで姿勢を直してあげましょう。
最後にロマンティックな小話を1つ。セロームは「愛の木」と言われているのをご存じですか。何故かというと、セロームの学名は、Philodendron selloumです。この「Philodendron=フィロデンドロン」はギリシャ語で「フェレオ(phileo):愛する」と「デンドロン(dendron):木」の意に由来しているそうです。つまりフィロデンドロンとは「愛する+木=愛の木」という意味になるのです。
これはさきほど述べた、セロームの「太陽の光を十分に受けると大きく成長する」という性質が関係しているのかもしれません。太陽の光を愛だとすれば、人も十分な愛を受けると大きく成長するからです。しかも信じられない程のスピードで大きくなるのです。
そんな愛することの素晴らしさを、先人たちはセロームの中に見出して名前をつけた。そう考えるのもいいかもしれません。いつの時代も、植物と人はつながっているのです。