原種の繊維はエコロジー素材としても注目 ーカポックー

 カポックは育てやすく、人気の高い観葉植物です。正式な植物名はシェフレラ・アルボリコラと言い、ブラッサイアやツピタンサスの仲間です。

かつてある生産者が香港から輸入した際に「ホンコンカポック」という名前で売り出し、その後もカポックという通称で広まったという説があります。また、葉がちょうど傘を広げたように見えるため「アンブレラツリー」と呼ばれることもあるそうです。「アンブレラツリー」の方が、ロマンチックな呼び名ですね。

原種は、東南アジアの熱帯に分布しているクッションなどに詰めるパンヤをとる「パンヤノキ」です。実から採れる繊維は撥水性に優れ、枕などの詰め物に使われます。第2次世界大戦の頃は救命具の材料になり、現在でも競艇業界では救命胴衣のことをカポックと呼んでいます。

近年このパンヤノキの繊維が油吸収材として使用され、樹木を切り倒す必要の無いことから、地球に優しいエコロジー素材として注目されています。