10日から、ブラジル・ベレンでCOP30(第30国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催されます。多くの議案が検討される中、10年を迎えるパリ協定は実施フェーズに入ります。地球の平均気温の上昇を産業革命以前の1.5℃に抑える目標に対し、国連事務局は現状報告を各国に促しています。しかし、8月時点で提出済みの国は全体の約2割で、トランプ政権発足直後に離脱したアメリカを含む各国の動きが注目されます。
〇COP30がベレンで開催される意義
地球温暖化が気候変動を引き起こしていますが、その重要な解決策の1つが森林保護です。森林はCO2を吸収する「自然のインフラ」であり、温暖化防止に大きく貢献します。実際パリ協定以降、多くの国が森林保全と再植林を掲げてきました。国際的にも「REDD+(森林減少・劣化に由来する排出削減)」などの運動が広がり、減少速度は緩やかになっています。しかし、世界ではまだ年間500万ヘクタール(九州の約1.3倍)の森林が消失しているとされ、各地で農地拡大や鉱山開発による伐採が続いています。
今回COP30がブラジル・ベレンで開催されることには、象徴的な意味があります。ベレンはアマゾン河口の都市であり、地球最大の熱帯林の玄関口だからです。議長国ブラジルは「アマゾンの守護者」を掲げ、違法伐採の取締りや森林回復政策を強化しています。国際社会に対しても「グローバル・サウスの森林外交」をリードする姿勢を明確にしています。ベレンでの会議は、森林を「守る」だけでなく、「どう利用し、どう経済と両立させるか」を問う場にもなるでしょう。
〇日本の森林保全の現状とグリーン・ポケットの役割
林野庁のデータによると、日本全体のCOP吸収量の80%以上が森林です。林野庁はこの現状を踏まえ、適切な森林整備や木材利用が「2050年のカーボンニュートラルに貢献する」としています。
森林整備で代表的なのが間伐です。植林された杉や桧は、成長に伴い木々の間隔が狭くなり、陽光が入らなくなるため病気や虫が発生しやすくなるので、木を間引きする間伐が必要になります。定期的に間伐を行うと地面まで日光が届くようになり、樹木は十分に光合成ができて、幹も太く成長するようになります。さらに地面の草も育ち、CO2吸収量も高まるのです。
この間伐の際に伐採される間伐材を使って、グリーン・ポケットはオリジナルの木製プランター「コズミ」を開発しました。凸凹のリヴ加工を施したウッドボックスを積み重ねて高さや幅を調整できるので、発売以来好評をいただいております。コズミ以外にも、グリーバやフォレストフレームなど20アイテム以上の日本の国産木材を使用したプランターを多数開発しています。
こうした商品が売れることで、材料となる国産木材が必要となります。放置されていた間伐が進み、間伐が進めば森林の状態が良くなり、CO2吸収量が増える。日本の全体吸収量も増え、パリ協定の目標達成に寄与している。つまり私たちがレンタルしているコズミとCOPの舞台は、緑の力でつながっているのです。これからもこうした高い意識をもって、業務にあたって参ります。