6月のコラムで、昨今の若者が企業選択の際に重要視するのは福利厚生であり、これを受けて企業側も様々な対策を講じていることを書きました。そして、その福利厚生を「何故作ったのか」「どう活用してほしいか」というメッセージを、戦略的に発信する会社が増えています。
我社にも、花や緑の福利厚生に会社からのメッセージを込めたお客様がいらっしゃいます。営業マンから聞いた2つの良き導入例です。
〇理想の会社は社員が笑顔でいる会
応接室に数年前から2鉢レンタルをご利用されていたお客様の話です。レイアウトの変更があるとお聞きして伺うと、初めて社長に会うことができました。その時、社長が産学連携研究による「植物で職場の雰囲気が明るくなる」という結果に大変興味を示されたのです。「社員には笑顔で働いてもらいたい」と、常々考えていた社長に響いたようで、即決で導入となりました。休憩室や今まで殺風景だった壁面にも植物が置かれました。
そして、休憩室に新しく入れた観葉植物が「社員が笑顔で働く職場に」という社長の思いであることを社内通知したところ、多くの社員たちから共感を得たようです。実際に社内の雰囲気が明るくなり、会話も増えました。社長も休憩室で植物を前に談笑する姿を目にされ、直々社長に「緑を入れていただきありがとうございます」とお礼にきた社員もいて、その効果に喜ばれていたそうです。
また、当社は「はなとき」という生花のオンラインショップを運営していますが、福利厚生の1つとして、毎年社員全員の誕生日に花を贈っているお客様がいらっしゃいます。
窓口になっていただいている総務部長によると、社員の皆様は毎年会社から花が届くのを楽しみにしているそうです。「今年はこんな花が届いた」と、社員同士で話題になることも多いとのことです。
この制度は社長の「誕生日は自分を支えてくれる周囲の人に感謝する日」という社長の考えから福利厚生の1つとして始めましたが、周囲の人に感謝しよう、気を配ろうという我社の良き社風作りに一役かっていると話されていました。
〇植物の伝えるメッセージと役割の大きさ
我社のサービスを福利厚生として位置付け、会社からのメッセージを発信している例を紹介しました。植物の持つ人と人をつなげる力=コミュニケーションを闊達にする力が福利厚生として発揮された好例だと思います。
近年よく言われる、エンゲージメントの強化のお役にたっているのです。
かつての福利厚生は住宅代などの手当や保養所などで、会社からその存在をアピールすることはありませんでした。しかし、Z世代の「福利厚生重視」は単に物的・金銭的な支援を求めているのではなく、「自分の生き方を尊重してくれる会社かどうか」を見極める視点からきています。これからの企業に求められるのは、「社員のワークライフバランスにどう寄り添うか」という問いへのアップデートです。戦略的に自ら福利厚生にメッセージをこめて公表していくのです。
福利厚生はその企業を映す鏡であり、社風や企業文化を現し、ブランド価値を左右する時代になってきたようです。
そんな福利厚生に当社の花のサービスや緑溢れるオフィスが選ばれ、企業文化の構築にまで関わっているのです。大変うれしいことであり、責任を感じます。植物の伝えるメッセージと役割の大きさを改めて胸に刻み、業務にあたってまいります。